『窪山さんがんばりすぎ』
この本はウィンザーホテル洞爺が再開業するまでの苦労話だが、その後どうなったかはこれでは分からない。
同ホテルは来年の洞爺湖サミットの会場に選ばれたぐらいだからそれなりの評価と評判を得ているのだろう。しかし、現実にはそれほど一般客の評判が良いわけではないようだ。このホテルで誰もがほめるのは景色と建物の豪華さ、これは窪山哲雄の功績ではない。窪山がめざしているのは最高のサービスの提供なのだろうが、それが必ずしも実現されていないのだ。
この本を読むと感じるのだが、窪山さんというのは非常に前向き、不屈の精神があり、常に勉強している、そして常に仕事の改善を考えている、これらのことは経営者として素晴らしいし、見習わなければならないと思うところが多いのだが、一方である種の息苦しさを感じてしまう。自身の信念が強いだけに、それが負担に感じてしまうのだ。
この本の表紙の窪山氏の写真も接客業を行う人の顔ではない。
お客は自分がくつろぐためにホテルに泊まるのであって、そのホテルが有名だからとか有名な人が経営しているから泊まるのではない。窪山氏は残念ながらまだその域に達していないように見える。
この本を読んで私が学んだのは、信念、情熱を持つことは重要だが、接客業においてそれを相手に感じさせてはいけない、それ以上に、従業員にそれを感じさせてはいけないんじゃないかということだ。窪山氏はこの本の中でも、CS以上に重要なのはES(従業員満足度)だと言っているが、それを上げることがいかに難しいことかを感じさせてくれた。
窪山さん、もう少し肩の力を抜いて、顔の力も抜いて、いいホテルマンになってください。