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辺境から眺める―アイヌが経験する近代

『自らを知るために』
アイヌについてもともと特別に関心があるわけではなかったのですが、この本を手に取り問題意識が徐々に湧き出てきて、今まで無関心でいた自分に恥ずかしさを感じました。どのような人も読むべきであり、そして心を動かされる書物ではないかと思われます。「近代」が「進歩」する過程で取り込んできた少数の先住民である「アイヌ」を日本の「歴史」として語るのでなく、もはや発言することのできない「アイヌ」から見たときその歴史はどのようになるかを検討する試み。外に視点をおくことで「日本」という国や「現代」という「世界」がどのような地盤の上になりたっているかをきわめてvividに感じさせてくれるものであり、臨界点にこそもっとも真理が現れやすいという意味で「日本」のもっとも内密な部分を描写できているように思います。著者の論理も押し付けがましくなく客観的であり、問題を「アイヌ」と限定しておきながらその本質を丁寧に探っていくことで、さまざまな状況に普遍的にあてはまる内容となっています。マイノリティを知るという意味ではなく、我々をよりよく知るという意味で特に日本人は手にすべき書物のように思います。ただこのような書物は我々では書けるものではなく、日本人でない彼女こそがなしうるもののようにも思います。

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